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BLOG 相続不動産売却の3,000万円控除とは?適用条件と注意点を解説

相続不動産売却の3,000万円控除とは?適用条件と注意点を解説

相続不動産売却の3,000万円控除とは?適用条件と注意点を解説

親から実家を相続したものの、「売却すると税金はいくらかかるのか」「相続不動産の売却でも3,000万円控除を使えるのか」「古い建物は先に解体してよいのか」と不安を感じている方は少なくありません。

相続した不動産の売却では、一定の条件を満たすと、譲渡所得から最大3,000万円を差し引ける可能性があります。これが、いわゆる相続空き家の3,000万円特別控除です。

ただし、相続した不動産であれば無条件に使える制度ではありません。建築時期、被相続人の居住状況、相続後の利用状況、売却価格、耐震性、売却期限など、複数の要件を確認する必要があります。

また、解体や売買契約を先に進めた結果、必要な証明書類をそろえられなかったり、買主による解体が期限までに完了しなかったりすると、特例を受けられない可能性があります。

当社の実務では、相続不動産の売却価格だけでなく、譲渡所得税、相続税、仲介手数料、解体費、測量費などを差し引いた最終的な手残りを確認することを重視しています。

この記事では、杉並区・高円寺を拠点に、東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県の1都3県で相続不動産の売却を支援しているアクティブホームが、相続不動産売却の3,000万円控除について、適用条件と注意点を詳しく解説します。

相続不動産売却の3,000万円控除とは

相続不動産の売却に関係する3,000万円控除は、正式には「被相続人の居住用財産に係る譲渡所得の特別控除の特例」といいます。

亡くなった方が一人で暮らしていた一定の家屋やその敷地を相続し、要件を満たして売却した場合、譲渡所得の金額から最高3,000万円を控除できる制度です。

現在の制度では、2016年4月1日から2027年12月31日までの間に行われる譲渡が対象になります。2024年1月1日以後の譲渡で、対象となる家屋と敷地を相続または遺贈により取得した相続人の数が3人以上である場合、控除額の上限は一人当たり2,000万円になります。

3,000万円が売却代金から差し引かれる制度ではない

3,000万円控除は、売却代金や納める税額から直接3,000万円を差し引く制度ではありません。

控除の対象になるのは、次の計算で求める譲渡所得です。

譲渡所得=売却価格-取得費-譲渡費用-特別控除額

取得費には、被相続人が不動産を購入したときの代金や購入時の仲介手数料などが含まれます。建物については、所有期間中の減価償却費相当額を差し引いて計算します。

譲渡費用には、売却時の仲介手数料、測量費、売買契約書の印紙代、売却のために直接必要になった解体費などが含まれる場合があります。

例えば、相続した不動産を5,000万円で売却し、取得費と譲渡費用の合計が1,500万円だった場合、控除前の譲渡所得は3,500万円です。

3,000万円控除を適用できれば、課税対象となる譲渡所得を500万円まで圧縮できます。

一方、控除前の譲渡所得が2,000万円であれば、課税対象となる譲渡所得は0円になります。ただし、余った1,000万円を給与所得などから差し引いたり、翌年へ繰り越したりすることはできません。

相続税を3,000万円減らす制度ではない

この特例は、相続税を減額する制度ではありません。

相続した不動産を売却したときに発生する譲渡所得税と住民税に関係する制度です。

相続不動産では、次の税金や費用を分けて考える必要があります。

  • 相続財産の取得に対する相続税
  • 相続登記にかかる登録免許税
  • 売却益に対する所得税・復興特別所得税・住民税
  • 売買契約書にかかる印紙税
  • 仲介手数料、測量費、解体費、残置物撤去費など

実際のご相談でも、「相続税を納めたため、売却時には税金がかからないと思っていた」というケースがあります。

しかし、相続税と譲渡所得に対する税金は別の仕組みです。相続不動産の売却では、相続税の申告だけでなく、売却後の確定申告まで含めて資金計画を立てる必要があります。

空き家の3,000万円控除を受けるための主な適用条件

相続不動産の売却で3,000万円控除を受けるには、家屋、被相続人、相続後の使用状況、売却価格、売却先などに関する要件を満たす必要があります。

一つの条件だけを満たしていても、ほかの条件を満たさなければ適用できません。

昭和56年5月31日以前に建築された家屋であること

対象となる家屋は、1981年(昭和56年)5月31日以前に建築されたものである必要があります。

旧耐震基準で建てられた住宅を主な対象とする制度だからです。

建築時期は、登記事項証明書、固定資産税関係書類、建築確認関係書類などで確認します。登記されている日付だけでは判断しにくい場合もあるため、複数の書類を確認することが重要です。

東京都内では、杉並区や中野区をはじめ、昭和50年代以前に建てられた戸建住宅が現在も多く残っています。神奈川県・埼玉県・千葉県の住宅地でも、同様の古い実家を相続するケースがあります。

築年数が古いからといって必ず適用されるわけではありませんが、昭和56年以前に建てられた家屋を相続した場合は、早い段階で適用可能性を確認しましょう。

区分所有建物ではないこと

対象となる家屋は、区分所有建物登記がされている建物ではないことが必要です。

そのため、一般的な分譲マンションの一室を相続して売却するケースは、原則として相続空き家の3,000万円控除の対象になりません。

一方、戸建住宅や、建物全体が一つの不動産として登記されている住宅については、ほかの条件を満たせば対象になる可能性があります。

マンションが対象外であっても、取得費加算の特例など、別の制度を利用できる場合があります。3,000万円控除を使えないという理由だけで、税金を減らす方法がないと判断しないことが重要です。

相続開始直前まで被相続人が居住していたこと

原則として、亡くなった方が相続開始直前まで、その家屋を主に居住のために使用していた必要があります。

また、相続開始直前に被相続人以外の居住者がいなかったことも要件になります。

住民票が置かれていたという事実だけでなく、実際の生活状況を確認しなければならない場合もあります。

当社の実務でも、住民票、公共料金の利用状況、郵便物、介護関係書類などを確認しながら、被相続人の居住実態を整理するケースがあります。

老人ホームなどに入所していた場合も対象になる可能性がある

被相続人が亡くなる直前に老人ホームなどへ入所していた場合でも、一定の要件を満たせば特例の対象になる可能性があります。

主な確認事項は次のとおりです。

  • 被相続人が要介護認定や要支援認定などを受けていたこと
  • 一定の老人ホーム、介護施設、障害者支援施設などに入所していたこと
  • 入所直前まで対象家屋を居住のために使用していたこと
  • 入所後に家屋を賃貸、事業または被相続人以外の居住のために使用していないこと
  • 被相続人の物品が保管されるなど、一定の使用状況が保たれていたこと

介護保険被保険者証、施設の入所契約書、住民票、電気・ガス・水道の使用状況などが確認書の申請で必要になる場合があります。

売却後に書類を集めようとしても、契約先の変更や書類の廃棄によって取得できない可能性があります。相続が発生した段階で、関係書類を捨てずに保管しておきましょう。

相続後に居住・賃貸・事業のために使っていないこと

相続開始から譲渡までの間、対象となる家屋や敷地を次の用途に使用していないことが必要です。

  • 相続人や第三者の居住
  • 賃貸住宅としての貸し出し
  • 店舗、事務所、倉庫などの事業利用

「売却するまで空けておくのはもったいない」と考えて一時的に賃貸へ出すと、特例を利用できなくなる可能性があります。

親族を短期間住まわせたケースや、事業用の荷物置場として使用したケースなども注意が必要です。

売却するか、賃貸するか、保有するか迷っている場合は、先に制度の適用可能性と、それぞれの手残りを比較してから判断することが重要です。

売却代金が1億円以下であること

家屋と土地の譲渡対価の合計額は、原則として1億円以下でなければなりません。

売却価格が1億円を超える場合は、譲渡所得が3,000万円以下であっても、この特例を利用できません。

土地を分割して売却した場合や、複数の相続人が別々に売却した場合でも、一定期間内に行われた対象不動産に関する譲渡対価を合計して判定されることがあります。

特例適用後に別の部分が売却され、合計額が1億円を超えた場合には、修正申告や納税が必要になる可能性もあります。

東京都内では土地価格が高いため、杉並区をはじめとする住宅地でも、敷地面積や立地によって売却価格が1億円を超えることがあります。

売却方法や土地の分割方法を決める前に、査定価格と1億円の要件を照らし合わせることが重要です。

親族など特別な関係にある人への売却ではないこと

売却先が、売主の配偶者、直系血族、生計を一にする親族、一定の同族会社など、特別な関係にある者ではないことも必要です。

親族間で売買する場合や、相続人が経営する会社へ売却する場合は、通常の第三者への売却とは異なる確認が求められます。

譲渡所得税だけでなく、贈与税、不動産取得税、適正な売買価格、遺産分割との整合性なども問題になる可能性があるため、契約前に専門家へ相談しましょう。

相続不動産の3,000万円控除には売却期限がある

3,000万円控除を受けるうえで、特に重要なのが売却期限です。

原則として、次の両方を満たす必要があります。

  • 相続開始の日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却する
  • 2027年12月31日までに売却する

例えば、2023年6月1日に相続が開始した場合、3年を経過する日は2026年6月1日です。

その日の属する年の12月31日、つまり2026年12月31日が、この要件上の売却期限になります。

「亡くなってからちょうど3年以内」と考えると期限を誤る可能性があります。相続開始日を確認し、具体的な期限をカレンダーに落とし込むことが大切です。

期限直前から売却を始めるのは危険

不動産売却は、査定を依頼してすぐに完了するとは限りません。

売却前には、次のような作業が必要になる場合があります。

  • 戸籍収集と相続人の確定
  • 遺言書の確認
  • 遺産分割協議
  • 相続登記
  • 家財や残置物の整理
  • 境界確認や確定測量
  • 耐震診断や耐震改修
  • 解体工事
  • 買主の募集
  • 売買契約
  • 決済と引き渡し
  • 市区町村への確認書申請

東京都内の土地では、隣地との境界確認や確定測量に数か月かかることがあります。

共有者が遠方に住んでいる、相続人の一人と連絡が取れない、遺産分割の方針が決まっていないといったケースでは、さらに時間が必要です。

期限が近づいてから売り出すと、十分な販売期間を確保できず、価格交渉で不利になる可能性があります。

控除の利用を検討する場合は、期限から逆算し、できるだけ早い段階で準備を始めることが重要です。

建物を残して売る場合と解体して売る場合の適用条件

相続空き家の3,000万円控除では、家屋を耐震基準に適合させて売却する方法と、家屋を取り壊して敷地を売却する方法があります。

2024年1月1日以後の譲渡については、一定の要件を満たせば、譲渡後に買主が耐震改修または解体を行う方法も認められています。

どの方法が有利かは、建物の状態、工事費、土地需要、売却価格、買主の希望、工事の確実性によって異なります。

売却時までに売主が耐震改修を行う方法

家屋を残して売却し、売主側で特例の要件を整える場合は、譲渡時に家屋が現行の耐震基準へ適合している必要があります。

耐震改修には一定の費用と期間がかかります。

改修後の中古戸建として販売するのか、建物を解体して土地として販売するのかを比較しなければなりません。

杉並区など東京都内の住宅地では、古い建物があっても土地として高い需要を見込めることがあります。一方、神奈川県・埼玉県・千葉県のエリアによっては、建物を使用できる状態に整えた方が買主を見つけやすいケースもあります。

判断する際は、次の費用を含めて手残りを比較します。

  • 耐震診断費
  • 耐震改修費
  • 解体費
  • 測量費
  • 残置物撤去費
  • 売却までの固定資産税
  • 仲介手数料
  • 譲渡所得に対する税金

売主が解体して土地を売却する方法

家屋を取り壊し、敷地のみを売却する場合も、一定の要件を満たせば3,000万円控除の対象になります。

ただし、家屋を取り壊してから売却するまでの間に、土地を駐車場として貸したり、資材置場として事業利用したりすると、適用できなくなる可能性があります。

また、解体後に対象となる家屋の状況を確認できるよう、次の記録を残しておくことが重要です。

  • 解体前の建物外観と室内の写真
  • 家財道具の保管状況が分かる写真
  • 電気・ガス・水道の使用中止日が分かる書類
  • 解体工事の契約書と請求書
  • 解体前後の日付が確認できる写真
  • 建物の登記事項証明書
  • 建物滅失登記に関する書類
  • 固定資産税関係書類

実際のご相談でも、家屋を解体した後に「相続後も空き家だったことを証明する資料が不足している」というケースがあります。

当社では、税理士や司法書士と連携し、解体前に残しておくべき写真や書類を確認してから工事を進めることを重視しています。

買主が売却後に耐震改修または解体を行う方法

2024年1月1日以後の譲渡では、売却時に家屋の耐震改修や解体が終わっていなくても、譲渡した年の翌年2月15日までに買主が耐震改修または解体を完了すれば、一定の要件のもとで特例を利用できる可能性があります。

この改正により、売主が売却前に解体費や耐震改修費を負担しなくてもよい選択肢が広がりました。

ただし、買主が期限までに工事を完了しなかった場合や、必要書類を取得できなかった場合は、売主が特例を利用できなくなるおそれがあります。

この方法を選択するときは、売買契約書で少なくとも次の事項を明確にすることが重要です。

  • 買主が行う耐震改修または解体の内容
  • 工事の完了期限
  • 工事完了を証明する書類の提出期限
  • 確認書の申請に必要な協力義務
  • 買主が工事を完了しなかった場合の取り扱い
  • 売主に税負担が生じた場合の対応

口頭で「引き渡し後に解体する」と確認するだけでは不十分です。

契約条項を適切に整え、工事の進捗と証明書類の取得まで管理できる体制をつくる必要があります。

相続人が3人以上いる場合は控除額が2,000万円になる

2024年1月1日以後の譲渡では、被相続人居住用家屋とその敷地を相続または遺贈により取得した相続人の数が3人以上の場合、各相続人の控除額の上限は3,000万円ではなく2,000万円になります。

例えば、対象となる実家と土地を兄弟3人が相続し、それぞれが持分を売却する場合は、一人当たり最大2,000万円になる可能性があります。

「売却に参加した相続人が何人いるか」だけで判断するのではなく、誰が対象家屋と敷地を相続または遺贈によって取得したかを確認する必要があります。

遺産分割は3,000万円控除だけで決めない

控除額だけを見て、誰が不動産を相続するかを決めるのは適切ではありません。

遺産分割では、次の点も同時に確認する必要があります。

  • 相続税の負担
  • 小規模宅地等の特例の適用可能性
  • 売却代金の分配方法
  • 納税資金の確保
  • 将来の管理責任
  • 相続登記の方法
  • 相続人間の公平性
  • 売却時の譲渡所得
  • 取得費加算の特例との関係

実際のご相談でも、誰が相続するかによって相続税の負担や利用できる特例が変わるケースがあります。

小規模宅地等の特例では、取得者によっては相続税の申告期限まで土地を保有することが要件になるため、先に売却すると適用できなくなる可能性があります。

不動産会社だけで売却時期を決めるのではなく、遺産分割を確定する前から税理士・司法書士と連携することが重要です。

取得費が分からないと譲渡所得が大きくなりやすい

相続した不動産の譲渡所得を計算するときは、被相続人が不動産を取得したときの取得費と取得時期を引き継ぎます。

相続税評価額や相続時の固定資産税評価額を、そのまま取得費として使うわけではありません。

しかし、古い実家では次のような問題がよくあります。

  • 購入時の売買契約書が見つからない
  • 建築請負契約書が残っていない
  • 購入から数十年が経過している
  • 土地と建物の金額を区分できない
  • 増築や改修費用の領収書がない
  • 被相続人から購入経緯を聞けない

取得費が分からない場合は、売却価格の5%を概算取得費として計算する方法があります。

例えば、5,000万円で売却した場合、概算取得費は250万円です。実際には数千万円で購入していた不動産でも、証明できなければ取得費が大幅に低くなり、譲渡所得が大きくなる可能性があります。

その結果、3,000万円控除を使っても課税対象額が残ることがあります。

当社が相続不動産の売却を支援する際も、取得費をどこまで確認できるかは、税引き後の手残りを左右する重要なポイントになります。

売買契約書が見つからない場合でも、通帳、住宅ローンの記録、抵当権設定時の書類、建築確認関係書類などから取得費を検討できる場合があります。

実家の片付けをするときは、古い書類をすぐに処分せず、税理士や不動産会社へ確認しましょう。

取得費加算の特例とは選択適用になる

相続税を納めた方が相続財産を一定期間内に売却した場合、納付した相続税の一部を売却した財産の取得費に加算できる制度があります。

これを相続財産を譲渡した場合の取得費加算の特例といいます。

主な要件は次のとおりです。

  • 相続または遺贈によって財産を取得していること
  • その財産を取得した人に相続税が課税されていること
  • 相続開始日の翌日から、相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までに売却していること

取得費が増えれば譲渡所得が減るため、譲渡所得に対する税金を抑えられる可能性があります。

ただし、同じ不動産の売却について、相続空き家の3,000万円控除と取得費加算の特例を重ねて適用することはできません。

両方の要件を満たす場合は、どちらを利用する方が有利かを比較します。

どちらが有利かは個別に計算する必要がある

例えば、控除前の譲渡所得が2,500万円であれば、3,000万円控除を適用することで課税対象額を0円にできる可能性があります。

一方、譲渡所得が大きく、多額の相続税を納めている場合は、取得費加算の特例が有利になるケースもあります。

比較には、少なくとも次の情報が必要です。

  • 売却予定価格
  • 被相続人の取得費
  • 建物の減価償却費相当額
  • 売却に必要な諸費用
  • 相続税の納付額
  • 相続財産全体の内容
  • 不動産を取得した割合
  • ほかの譲渡所得や特例の利用状況

相続不動産の売却では、高く売ることだけが最終的な利益につながるとは限りません。

当社では、不動産会社として販売価格と売却戦略を検討し、相続に詳しい税理士が税務上の選択肢を確認することで、税引き後の手残りを見据えた提案を行います。

3,000万円控除を受けるには確定申告が必要

3,000万円控除を利用した結果、課税対象となる譲渡所得が0円になる場合でも、確定申告が必要です。

「税金が0円になるため申告しなくてもよい」と判断すると、特例を受けられません。

原則として、不動産を売却した年の翌年に確定申告を行います。

確定申告で準備する主な書類

売却方法や個別の状況によって異なりますが、主に次の書類を準備します。

  • 確定申告書
  • 譲渡所得の内訳書
  • 売却した不動産の登記事項証明書など
  • 売買契約書の写し
  • 被相続人居住用家屋等確認書
  • 耐震基準適合証明書または建設住宅性能評価書の写し
  • 解体した場合の閉鎖事項証明書など
  • 買主が耐震改修・解体した場合の証明書類
  • 取得費を確認できる購入時の契約書や領収書
  • 仲介手数料、解体費、測量費などの領収書

国税庁も、確定申告書、譲渡所得の内訳書、登記事項証明書、売買契約書、被相続人居住用家屋等確認書など、一定の添付書類を求めています。

被相続人居住用家屋等確認書は市区町村へ申請する

特に重要なのが、対象不動産の所在地を管轄する市区町村から交付を受ける被相続人居住用家屋等確認書です。

この確認書は、税務署ではなく市区町村へ申請します。

申請では、被相続人の居住状況、老人ホームへの入所状況、相続後の使用状況、電気・ガス・水道の停止状況、解体日などを確認できる書類が必要になる場合があります。

確認書が交付されたことだけで、税務上の特例適用が確定するわけではありません。最終的な適用可否は、ほかの要件も含めて税務署が判断します。

申告期限の直前になって慌てないよう、売却準備の段階から市区町村の必要書類を確認しておくことが重要です。

相続不動産の3,000万円控除で失敗しやすい注意点

相続空き家の3,000万円控除は、税負担を大きく抑えられる可能性がある一方、売却や解体の進め方を誤ると利用できなくなることがあります。

解体前の写真や書類を残していない

建物を解体した後では、被相続人が住んでいた家屋の状態や、相続後に居住・賃貸・事業利用されていなかったことを確認しにくくなります。

解体前に建物の外観、室内、家財、メーター類などを撮影し、公共料金の使用中止日が分かる書類や解体契約書も保管しておきましょう。

相続後に親族が住んでしまった

空き家を管理する目的で相続人が住み始めたり、親族へ一時的に貸したりすると、特例の対象外になる可能性があります。

無償で住ませた場合でも、居住のために使用した事実が問題になることがあります。

誰かが利用する前に、特例の適用可能性を確認することが重要です。

解体後の土地を駐車場などにした

家屋を解体した後、売却までの間に月極駐車場や資材置場として貸し出すと、特例を利用できなくなる可能性があります。

維持費を補う目的であっても、利用を始める前に税務上の影響を確認しましょう。

買主が期限までに解体しなかった

譲渡後に買主が解体する方法を選んだ場合、翌年2月15日までに工事が完了しなければならないという期限があります。

買主の都合で工事が遅れると、売主が特例を受けられなくなる可能性があります。

この方法を採用する場合は、買主の資金計画、工事業者の手配、契約条項、完了書類の提出方法まで確認する必要があります。

相続登記や遺産分割に時間がかかった

相続人が確定していない、遺産分割協議がまとまっていない、相続登記が終わっていない状態では、売却を進められません。

高齢の相続人に意思能力の問題がある場合や、連絡が取れない相続人がいる場合は、成年後見制度や不在者財産管理人などの手続きが必要になることもあります。

当社では、必要に応じて司法書士や弁護士と連携し、相続人の確認、遺産分割、相続登記、売却の順番を整理します。

小規模宅地等の特例を確認せずに売却した

相続税の小規模宅地等の特例では、土地を取得する人や利用状況によって、相続税の申告期限まで保有することが要件になる場合があります。

3,000万円控除を利用するために売却を急いだ結果、小規模宅地等の特例を受けられなくなると、相続税を含めた全体の負担が増える可能性があります。

相続税、譲渡所得税、売却期限を一つのスケジュールにまとめて確認することが重要です。

高い査定価格だけで不動産会社を選んだ

高い査定額を提示する会社が、必ずその金額で売却できるとは限りません。

相続不動産では、査定価格に加えて、次の対応力が必要です。

  • 相続登記や遺産分割への理解
  • 3,000万円控除を意識したスケジュール管理
  • 耐震改修と解体の比較
  • 買主解体方式に対応した契約条件の整理
  • 境界や越境の確認
  • 税理士・司法書士との連携
  • 相続人間の情報共有
  • 税引き後の手残り試算
  • 老朽化物件や再建築不可物件への対応

税務上の要件を確認せずに販売を始めると、契約直前や売却後に問題が発覚する可能性があります。

相続不動産を売却する前に準備すべきこと

相続不動産の売却で3,000万円控除を検討する場合は、次の順番で整理すると進めやすくなります。

相続人と遺言書の有無を確認する

戸籍を収集して法定相続人を確認し、遺言書の有無を調べます。

遺言書がない場合は、誰が不動産を取得するか、売却代金をどのように分けるかを遺産分割協議で決めます。

相続人全員が売却に同意していると思っていても、契約直前に意見が変わることがあります。

合意内容は遺産分割協議書で明確にしておくことが重要です。

相続登記を早めに進める

被相続人名義のままでは、買主へ所有権を移転できません。売却前に相続登記を行う必要があります。

相続登記は2024年4月1日から義務化されています。

3,000万円控除の売却期限に余裕を持たせるためにも、司法書士へ早めに相談しましょう。

取得費に関する書類を探す

実家を片付ける際は、次の書類を探してください。

  • 購入時の売買契約書
  • 建築請負契約書
  • 購入代金の領収書
  • 仲介手数料の領収書
  • 登記費用に関する書類
  • 住宅ローンの契約書や返済記録
  • 増改築工事の契約書と領収書
  • 被相続人の通帳

取得費を確認する手掛かりになる可能性があるため、内容が分からない書類もすぐに処分しないことが大切です。

相続後の利用状況を記録する

相続後に誰も住んでいないことや、賃貸・事業に使っていないことを説明できるよう、次の記録を残します。

  • 定期的に撮影した現地写真
  • 電気・ガス・水道の契約状況
  • 郵便物の転送記録
  • 空き家の管理記録
  • 家財処分や残置物撤去の記録

建物を残すか解体するか比較する

建物付きで売るか、更地にして売るかは、査定価格だけで決めないことが重要です。

少なくとも次の方法を比較します。

  • 現況のまま売却し、買主が期限内に解体する
  • 売主が耐震改修して中古戸建として売却する
  • 売主が建物を解体して土地として売却する

それぞれについて、売却価格、工事費、売却期間、税金、契約リスクを比較しましょう。

税引き後の手残りを試算する

売却前には、次のような資金表を作成します。

売却代金
- 仲介手数料
- 解体費・測量費・残置物撤去費
- 登記費用
- 譲渡所得税・住民税
- 相続人への精算金
= 最終的な手残り

相続した不動産を高く売ることは大切ですが、販売価格だけでなく、必要経費や税金まで含めて比較する必要があります。

当社では、相続に詳しい税理士と連携しながら、3,000万円控除と取得費加算の特例の選択、取得費の確認、解体費などを踏まえ、手残りの見通しを整理します。

相続不動産売却では不動産会社と専門家の連携が重要

相続不動産の売却は、不動産会社だけで完結しないことが多い取引です。

3,000万円控除を検討するときは、専門家がそれぞれの役割を担うことで、判断ミスや手続き漏れを防ぎやすくなります。

不動産会社の役割

不動産会社は、不動産の市場価値を査定し、建物を残すか解体するか、どのような買主へ販売するかを検討します。

また、売却期限から逆算し、測量、解体、販売、契約、決済、引き渡しのスケジュールを整えます。

税理士の役割

税理士は、3,000万円控除の要件、取得費、譲渡所得、取得費加算の特例との比較、相続税申告との関係などを確認します。

税理士であっても、相続や不動産売却に関する経験には差があります。

相続税と譲渡所得税の両方を理解し、不動産会社と連携できる税理士へ相談することが重要です。

司法書士の役割

司法書士は、戸籍収集、相続人の確認、遺産分割協議書の作成支援、相続登記、売却時の所有権移転登記などを担当します。

相続人が多いケースや、名義が何代も前のままになっているケースでは、売却活動の前に権利関係を整理しなければなりません。

弁護士や土地家屋調査士が必要になる場合

相続人同士で意見が対立している、共有持分の処分で合意できない、遺言書の有効性に争いがある場合には、弁護士への相談が必要です。

境界が不明確な土地、越境がある土地、未登記建物や未登記の増築部分がある物件では、土地家屋調査士の関与が必要になることがあります。

当社では、相続不動産、共有持分、借地権、底地、再建築不可物件、老朽化した空き家など、専門性が必要な売却について、案件ごとに税理士・司法書士・弁護士・土地家屋調査士などと連携して進めています。

まとめ

相続不動産の売却では、一定の要件を満たすと、譲渡所得から最大3,000万円を控除できる可能性があります。

重要なポイントは次のとおりです。

  • 昭和56年5月31日以前に建築された家屋であること
  • 区分所有建物登記がされた建物ではないこと
  • 原則として被相続人が相続開始直前まで一人で居住していたこと
  • 老人ホームへの入所中だった場合は一定の追加要件を満たすこと
  • 相続後に居住・賃貸・事業利用をしていないこと
  • 譲渡対価の合計額が1億円以下であること
  • 特別な関係にある親族や会社への売却ではないこと
  • 相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却すること
  • 2027年12月31日までに譲渡すること
  • 家屋を残す場合は耐震基準への適合を確認すること
  • 家屋を解体する場合は解体前の証拠を残すこと
  • 買主が耐震改修・解体する場合は翌年2月15日までに完了させること
  • 対象不動産を取得した相続人が3人以上の場合は控除額が最大2,000万円になること
  • 取得費加算の特例との有利不利を比較すること
  • 税額が0円になる場合でも確定申告を行うこと

相続空き家の3,000万円控除は、税負担を大きく軽減できる可能性がある制度です。

一方で、遺産分割、相続登記、解体、耐震改修、売買契約の順番を誤ると、利用できるはずだった控除を受けられなくなる可能性があります。

売却価格だけでなく、相続税、譲渡所得に対する税金、取得費、解体費などを含め、最終的な手残りを確認してから売却方法を決めることが重要です。

相続不動産の売却と3,000万円控除はアクティブホームへご相談ください

相続不動産の売却では、税金、相続登記、遺産分割、建物の耐震性、解体時期、売却期限など、多くの判断が必要です。

特に、相続空き家の3,000万円控除は適用条件が細かく、売却前の準備が結果を左右します。

アクティブホームでは、杉並区・高円寺を拠点に、東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県の1都3県で、相続不動産や空き家の売却をサポートしています。

一般的な戸建住宅や土地だけでなく、共有持分、借地権、底地、再建築不可物件、老朽化物件、収益物件など、専門性が必要な不動産売却にも対応可能です。

相続に詳しい税理士や司法書士、必要に応じて弁護士・土地家屋調査士などと連携し、売却価格だけでなく、税金や費用を差し引いた手残りを踏まえて選択肢をご案内します。

査定だけのご相談でも問題ありません。

まだ売却すると決めていない段階でも、売却、保有、賃貸、買取のどの方法が状況に合っているかを一緒に整理できます。

無理に売却を勧めたり、しつこい営業を行ったりすることはありません。

「3,000万円控除を利用できるか確認したい」「解体する前に相談したい」「相続人同士で売却方針が決まっていない」という方も、まずは無料相談・無料査定をご利用ください。

※お電話の際は、「ホームページを見た」とお伝えください。

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