再建築不可物件をお持ちの方がまず気になるのは、「結局いくらで売れるのか」という点ではないでしょうか。
しかも、普通の土地や戸建てと違って、再建築不可物件はポータルサイトの掲載事例だけでは相場がつかみにくく、査定額にも差が出やすいのが実情です。
とくに東京都内、なかでも杉並区・中野区・練馬区などの城西エリアでは、住宅地の需要そのものは堅調です。一方で、再建築不可という法的・物理的な制約があるだけで、価格評価は大きく変わります。国土交通省は、建築物の敷地は原則として幅員4m以上の道路に2m以上接していることを求めており、この接道義務を満たさないと建替えが難しくなります。さらに地価公示はあくまで「標準的な画地」の正常価格であり、実際の売却価格は接面道路や形状などの個別要因で異なると明示されています。
つまり、再建築不可物件の売却相場は、「周辺の土地単価 × 面積」では決まりません。
大切なのは、再建築できない理由と、その物件でも買える人・買いたい人が誰なのかを見極めることです。
この記事では、再建築不可物件の売却相場の考え方や価格の決まり方、さらに少しでも高く売るための具体的なコツについて、実務の視点から分かりやすく解説します。
再建築不可物件の売却相場は「安い」ではなく「個別性が強い」
再建築不可物件の相場を考えるうえで、最初にお伝えしたい結論は、相場は一律ではなく、個別事情で大きく上下するということです。
「再建築不可だから安い」と一括りにされがちですが、実務ではそれほど単純ではありません。たしかに再建築ができない以上、一般的な戸建て用地より買主は絞られます。しかし、だからといって必ず極端に安くなるわけでもありません。
たとえば、駅距離が近い、賃貸需要が見込める、現況建物がまだ使える、隣地との交渉余地がある、43条許可や接道整理の可能性がある、といった条件があれば評価は変わります。国土交通省の資料でも、接道規制には例外許可や運用上の整理が存在し、また狭い道でも法42条2項道路に該当するケースではセットバックを前提に扱いが変わることが示されています。
そのため、再建築不可物件の売却相場は、次のような視点で見る必要があります。
・周辺の通常物件相場
・なぜ再建築不可なのか
・現況建物に利用価値があるか
・将来の権利調整や接道改善の余地があるか
・買主が自己居住か、投資か、業者か
この整理をしないまま査定を受けると、
「再建築不可ですね。難しいのでこのくらいです」
と、根拠の薄い安値で話が進んでしまうことがあります。
そもそも再建築不可物件とは何か
再建築不可物件とは、今建っている建物は使えても、建替え時に建築基準法上の条件を満たせず、新たな建物を建てられない土地・建物を指すのが一般的です。代表的なのは、接道義務を満たしていないケースです。国土交通省は、建築物の敷地は原則として4m以上の道路に2m以上接していなければならないと整理しています。
また、幅員4m未満でも、昔から建築物が立ち並んでいる道が法42条2項道路として扱われることがあり、その場合は中心線から2m後退した範囲が道路とみなされ、建替え時にはセットバックが必要になります。つまり、見た目は「道に接している」ようでも、法的には十分な接道が取れていないことがあり、ここが価格に大きく影響します。
東京の城西エリアでは地価が強くても、再建築不可は別評価になる
2026年の鑑定評価書には、杉並区で+7.4%、中野区で+8.0%、練馬区で+6.9%の標準地事例が見られ、住宅地需要の底堅さがうかがえます。
ただし、ここで注意したいのは、地価公示価格はあくまで標準的な画地の正常価格であって、個別の土地の売買価格をそのまま表すものではないという点です。国土交通省は、同一の近隣地域でも、地積、形状、接面道路の状況などの個別要因によって価格は異なると明記しています。つまり、杉並区や中野区で地価が上昇しているからといって、再建築不可物件もそのまま同じ伸び方をするとは限りません。(国土交通省)
再建築不可物件の価格はどう決まるのか
再建築不可物件の価格は、単に「不人気だから安い」のではなく、買主が負うリスクと将来の使い方で決まります。
買主の立場で考えるとわかりやすいです。
通常の戸建て用地であれば、「古家を壊して新築する」という選択肢があります。ところが再建築不可物件では、その選択肢が最初から制限されます。すると、買主は次のような不安を価格に織り込みます。
・老朽化したらどうするのか
・融資がつきにくいのではないか
・将来、自分が再売却しにくいのではないか
・隣地や私道の権利関係でトラブルがないか
・役所調査の結果、想定以上の制約が出ないか
この「不安の総量」が大きいほど、価格は下がりやすくなります。逆にいえば、不安を一つずつ解消できる物件は、再建築不可でも評価を上げやすいということです。
価格を左右する主な査定ポイント
再建築不可物件の査定では、次の項目が特に重要です。
接道の内容と再建築不可の理由
もっとも重要なのは、なぜ再建築不可なのかです。
単純な無接道なのか、42条2項道路に絡むのか、通路部分の持分が足りないのか、位置指定道路の扱いに問題があるのかで、価格も出口戦略も変わります。
同じ「再建築不可」でも、改善余地がある物件と、改善が極めて難しい物件では相場がまったく違います。
建物の使用価値
建物がまだ居住可能なのか、賃貸に回せるのか、それとも老朽化が進んでいて実質的に土地値評価になるのかも重要です。
練馬区の2026年鑑定評価書でも、住宅地の取引では比準価格が市場性を反映した実証的な価格として重視され、収益価格は低位になりやすいことが示されています。住宅地では投資採算だけでなく居住需要が価格形成に関わるため、現況建物が使えるかどうかは実務上かなり大きな差になります。
土地の形状・面積・高低差
間口が狭い、旗竿地、擁壁がある、高低差がある、越境があるといった事情も減額要因です。
通常物件でも不利ですが、再建築不可物件ではさらに影響が大きくなります。なぜなら、買主にとって「将来建替えで解決する」という発想が取りにくいからです。
権利関係と私道負担
私道の通行・掘削承諾、共有持分、隣地との越境、相続未整理などは、再建築不可物件の売却で非常によく問題になります。
机上査定では見落とされやすい部分ですが、ここが曖昧だと買主は慎重になり、結果として価格交渉で不利になります。
相場を見誤りやすい人の共通点
再建築不可物件の売却で損をしやすい方には、いくつか共通点があります。
ひとつは、通常物件の成約相場をそのまま当てはめてしまうことです。
たとえば近所で3,000万円の土地が売れたから、自分の物件もそれに近いと思ってしまうケースです。しかし実際には、標準的な画地の価格と、接道や権利に課題がある物件の価格は別物です。国土交通省も、地価公示価格は地域の標準的な価格水準であり、最高値でも最低値でもなく、個別条件によって異なるとしています。
もうひとつは、「古家付きのままの価値」を過小評価することです。
再建築不可でも、現況で住める家、貸せる家、リフォーム前提で使える家は、買主の候補が広がります。逆に、解体費だけがかかる状態であれば、価格は厳しくなりやすいです。
さらに多いのが、最初の査定額を相場だと思い込むことです。
再建築不可物件は、査定する会社の経験値で金額差が出やすい分野です。一般的な仲介会社は「売りにくい」と感じると安全側に大きく見積もり、安い価格を提示しやすい傾向があります。
これは担当者が悪いというより、再建築不可物件の買主層や売却方法を持っていないためです。
再建築不可物件を少しでも高く売るコツ
ここからは、実際に高く売るためのポイントを整理します。
結論からいえば、価格を上げるコツは、物件そのものを無理に良く見せることではなく、買主の不安を先回りで減らすことです。
役所調査と道路調査を先に行う
再建築不可物件は、現地を見ただけでは判断できません。
建築指導課や道路管理の資料、指定道路図、建築計画概要書、私道の権利関係などを確認し、なぜ再建築不可なのか、例外や改善余地はあるのかを整理してから売り出すべきです。接道規制や2項道路の扱いは、価格形成に直結します。 (国土交通省)
この作業をせずに売り出すと、内見後や買付後に条件が発覚し、
「想定よりリスクが高いので値下げしてください」
となりがちです。売主としては、最初から調べておいたほうが、結果的に有利です。
買主層に合った売却方法を選ぶ
再建築不可物件の売却方法は、主に次の3つです。
・一般の個人向けに仲介で売る
・投資家向けに収益・利用価値を訴求して売る
・不動産会社に買取を依頼する
どれが正解かは物件次第です。
たとえば、現況で居住できるなら個人向け仲介が向く場合があります。
一方で、老朽化や権利関係の整理が必要なら、訳あり物件に強い買取業者や専門会社のほうがスムーズに進むこともあります。
大事なのは、最初から方法を一つに決めつけないことです。
「仲介なら高い」「買取は安い」と単純化せず、時間・手間・契約不適合責任の扱い・現況のまま売れるかまで含めて比較することが重要です。
“安く見える原因”を言語化して対策する
価格が伸びない物件には、必ず理由があります。
たとえば、
・接道の説明が曖昧
・私道の承諾状況が不明
・境界が未整理
・残置物が多い
・建物の利用イメージが湧かない
こうした点は、放置するとそのまま減額理由になります。
逆に、資料を揃え、状況を整理し、現況のメリットも伝えられれば、買主の安心感につながります。
相続や空き家の事情も一緒に整理する
40代以上のオーナー様では、相続で取得した再建築不可物件をどうするか悩んでいるケースも少なくありません。
「固定資産税だけ払い続けている」「遠方に住んでいて管理できない」「親の荷物が残ったまま」という状況は、現場では本当によくあります。
この場合、相場だけでなく、いつまでに売りたいか、片付けは必要か、共有者はいるかまで含めて整理しないと、売却が長引きます。
こんなケースは専門会社に相談したほうが早い
再建築不可物件は、普通の不動産会社でも扱えないわけではありません。
ただし、次のようなケースは、訳あり物件に強い会社へ相談したほうが早く、結果として条件も整いやすいです。
接道や道路種別の判断が難しい
「この道は2項道路なのか」「私道持分は足りているのか」「43条許可の可能性はあるのか」など、道路・建築の論点が絡むケースです。
この分野は、単に査定サイトに入力しても答えが出ません。調査力の差が、そのまま査定力の差になります。 (国土交通省)
相続・共有・越境が絡んでいる
共有名義、未登記、境界未確定、越境、私道承諾などが絡むと、買主が慎重になるため、一般仲介では動きにくくなります。
こうした案件は、価格だけでなく段取りの組み方が重要です。
早く現金化したい、近隣に知られたくない
空き家管理の負担、老朽化リスク、税金負担などから、早期売却を希望される方もいます。
その場合は、仲介で高値を待つより、条件整理に強い会社へ相談したほうが納得できることがあります。
杉並区・高円寺周辺で再建築不可物件を売るなら、地域と訳あり事情の両方を見られる会社が大切
杉並区・中野区・練馬区のような城西エリアは、住宅地としての需要が底堅い一方、細街路、私道、古い木造住宅、相続空き家など、再建築不可物件が生まれやすい地域特性もあります。2026年の地価公示関連資料でも、杉並区・中野区・練馬区の住宅地需要は堅調とされています。だからこそ、「地域相場が強いのに、なぜ自分の物件は安いのか」と悩む方が多いのです。 (国土交通省 地域情報ライブラリ)
このとき重要なのは、地域相場だけを見るのではなく、
その物件固有のハードルをどう評価し、どう売却戦略に落とし込むかです。
アクティブホームは、東京都杉並区高円寺を拠点に、こうした訳あり物件・再建築不可物件のご相談に対応しています。
「相場だけ知りたい」「売るべきかまだ決めていない」「他社の査定が安すぎる気がする」といった段階でも問題ありません。
最初から売却を急がせるのではなく、物件の状況を整理し、仲介・買取を含めて現実的な選択肢を比較することが、納得の売却につながります。
まとめ
再建築不可物件の売却相場は、通常の土地相場から単純計算できるものではありません。
接道義務を満たしているか、2項道路か、私道や共有の問題はないか、建物がまだ使えるか。こうした要素で価格は大きく変わります。国土交通省も、地価公示価格は標準的な画地の価格であり、接面道路や形状などの個別要因で価格は異なるとしています。 (国土交通省)
だからこそ、再建築不可物件の売却には専門知識が必要です。
一般的な不動産査定だけで判断すると、本来より安い条件で手放してしまうおそれがあります。
杉並区・中野区・練馬区など東京の城西エリアで、再建築不可物件の売却をお考えなら、訳あり物件に対応できるアクティブホームへご相談ください。
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しつこい営業は行わず、まずは不安を整理するところからお手伝いします。